2018年12月15日(土)

ゴーストレストラン/Ghost-Restaurant

こんにちは!よじげんスペースの荒木です。

先日、間借りビジネスについて取材対応していたのですが、「ゴーストレストランとは?」と聞かれまして。

確かに聞きなれないし、よくわからないし。

デリバリー専門店がゴーストレストランだとすると宅配ピザ屋も近所の寿司屋もゴーストレストランになってしまいますし。

今回は、ゴーストレストラン開業に興味がある方、ゴーストレストランというトレンドについて理解したい方などに向けて、ゴーストレストランとは何なのか記事にまとめます。

長文になりますが、読み終える頃にはゴーストレストランについて8割方理解できるようになり、友人知人に説明できるようになっている、という事をこの記事の目的とします。

目次:

1、ゴーストレストランとは?

2、2019年日本でも流行る?

3、3年で7割が廃業の飲食業界救世主なのか?

4、ゴーストレストランの本場NYのトレンド

5、既存のフードデリバリーとの違い

6、初期費用を抑えてゴーストレストラン開業

7、ゴーストレストランは儲かるのか?

8、ゴーストレストランの開業方法

9、間借りカレーなど間借りビジネスとの比較

10、レストラン以外のゴーストビジネス

 

1、ゴーストレストランとは?

まだNYから入ってきた言葉なので定義が曖昧なのですが、各種サイトを見る限り宅配専門のレストランの事です。店舗が無いレストラン=ゴーストレストラン、と名付けられた様です。デリバリー専門の飲食店というとイマイチ何が新しいのか理解できず、ずっと昔からピザや寿司などあるじゃ無いかと思われるかもしれませんので、“オンライン専門のレストラン”を想像してはいかがでしょうか?

今では当たり前になったAmazonや楽天のネット通販も、登場した当初は仮想の店舗とか仮想のショッピングモールなどと言われていました。実態のない、オンラインにしか存在しないレストランのことをちょっとオシャレにゴーストレストランと名付けたんですね。

・シェフだけで営業可能で

・住所非公開

・注文アプリなどテクノロジーを活用

ゴーストレストランは、この様なデリバリー専門のレストランのことです。

少しずつわかってきましたか?

 

2、2019年日本でも流行る?

元々はNYから広がったゴーストレストランですが、日本でも少しずつ認知がされる様になってきました。その陰には、UberEats等、フードデリバリー事業者が登場したことがあります。従来、宅配を行うためにレストランは、バイクを用意し、宅配スタッフを採用して、チラシを作ってポスティングして、注文を受けて運ぶ、という形が一般的でした。出前館などネットのデリバリー注文サイトのおかげでポスティングがネット注文に変わったりもしましたが、基本的には店舗のスタッフが届けに行くということで、店舗からすると投資が必要で面倒なものでした。

UberEatsに代表されるフードデリバリー事業者は、

・宣伝広告(従来のチラシポスティング)

・注文(従来の電話対応)

・配達(従来の店舗スタッフ配送)

・決済(従来の集金)

これらの機能を全て代行する、フードデリバリーのアウトソースを実現しました。店舗は、店舗に設置されたタブレットに注文が表示された時に、調理を行って使い捨て容器に詰めて用意をするだけ。頃合いに、配達スタッフがやってきて配送先へ届けてくれます。

決済も、利用者があらかじめアプリに登録したクレジットカードから自動で引き落とされ、フードデリバリー事業者から店舗へ振り込まれます。店舗は配達しないどころか、注文電話を受ける事さえしないため、料理を作ることに専念できるんです。

そうすると、料理が作れれば誰でもUberEats上にお店が持てることになります。物販でいうと通販専門店ができた過去と同様に、初期投資を抑えて、少人数(1人でも)開業できるわけですね。こうして、NYではゴーストレストランが流行しました。

日本でも、ネットニュースにゴーストレストランという言葉が登場し始め、日経MJ新聞でも一面で特集されたり、最新の情報を取り上げるバラエティテレビで特集されたりしているという辺りが、2018年12月現在の状況です。

日経トレンディという雑誌では、2019年のヒット予測として23位にゴーストレストランを選んでいます。

2019年ヒット予測ランキング 第13回/全13回 ゴーストレストラン、ルビーチョコレート……食のニューウエーブ

https://trend.nikkeibp.co.jp/atcl/contents/18/00063/00013/

また、2018年12月2日放送の「がっちりマンデー」でも2019年のヒット予測としてゴーストレストランが登場し、日本のゴーストレストラン例として「6curry」さんが取り上げられていました。こんなオシャレで健康的なカレーがアプリのボタン1つで届くわけですから、6curryさんすごいですよね。超おすすめです。

 

都内ではUberEatsは大流行で、私自身、週に3回は利用しています。今日の夜ご飯も、昨夜の友人との宅飲みでも。。

UberEatsが人気ならUberEatsでお店を開いていっちょやったるかー!という方も増えるでしょうし、何よりも初期投資が普通の飲食店に比べると抑えられるので参入も撤退もしやすいと。

2019年は日本におけるゴーストレストラン元年となり、テレビや各種メディアでも大々的に取り上げられそうな予感ですね!食べログにゴーストレストランが登場する日も近い?

 

3、3年で7割が廃業の飲食業界救世主なのか?

飲食店は開業してから3年で7割が廃業し、10年で9割が廃業すると言われています。厳しい業界です。物件の取得費用もかかりますし、内装工事代金、厨房設備代金、広告宣伝費、スタッフの採用コスト、業態開発費、などなど原材料費以外に多額の費用がかかる上に、原価がある商売なので利益率は低く、季節やトレンドに左右されやすく、食中毒や風評被害リスクもあり、誰でも参入できるので競争が激しくて、しかも大手は一括仕入れなどで安売りを仕掛けてくるという業界です。

こうして書くと、良いことなんて1つもありませんね。でも、みんな飲食店を開業するんです。私もこれまでに3店舗開業させました。なぜみんな飲食店をやりたがるのか。それは、誰でも簡単に参入できて、ビジネスモデルがわかりやすいからからだと思います。

例えば“シェアリングビジネスのマッチングプラットフォーム”って何だか難しそうで、ネットに詳しくない方には参入しづらいわけですね。でも、“駅前で定食屋さん”って、材料仕入れて、美味しいご飯作れば、売り上げが立って、その売り上げから仕入れや家賃を払って残ったお金が自分の利益、というわかりやすさが魅力的なんです。

けれども、物件の取得+内装工事+厨房機器+採用+宣伝+…と初期費用で1000万円程度を払って、最初の1年は赤字のお店がほとんどです。飲食店って、長年営業することで、認知されて、初回利用されて、リピートの常連客がついたり、口コミで広がったりして、そこからようやく利益が出る業態なんです。

じゃあ、赤字の間どうするかというと、初めて開業した方はびっくりですよね。開業資金で1000万も払っているのに、毎月赤字で自分の給料が出ないどころか運転資金が減っていくわけですから。何が悪いのかもわかりませんから、広告を出してみたり、値段を下げてみたり、メニューを工夫したり、営業時間を長くしてみたり。工夫をするわけです。そうして、運転資金が尽きて初年度で50%が閉店し、なんとか耐えたお店がプラスマイナス0やちょっとの黒字赤字であと1年耐えて物件の2年契約更新時に、心が折れて撤退すると。

これが飲食業界の現実です。しかも、自分は初めてでも周囲のお店は長年営業していてすでに認知されていて、初回来店も、常連も、口コミも揃って利益を出しているわけですから、素人が戦えるはずが無いのですが。余談ですが、私も人生で初めて開業したバーを2年で潰しました。最後まで赤字でした。

ゴーストレストランは、そんな3年で7割が閉店する飲食業界の救世主になるのでしょうか?答えは、私は、“そんなに甘く無い”と考えています。

ゴーストレストランについて日本語で書かれた記事を見ると大体の論調として、は以下の通りです。

・オンライン専門店だから客席を用意しなくてよく、

・駅前一等地じゃ無くて良いので空中階など家賃が抑えられて、

・ホールスタッフやデリバリースタッフを採用することもなく、

・シェフとキッチンだけで小コストで開業できる

 

確かに、NYのゴーストレストランについての記事にも上記の様に書いてあるので、記者さんが書くとこうなるでしょう。しかし、実際によじげんスペースゴーストレストラン用の物件を提供し、UberEatsの愛用者で、且つ、店舗側としてもUberEatsを利用してフードデリバリービジネスを行いつつ、過去に実店舗を持たないフードデリバリー専門店を運営していた“ゴーストレストラン経験者”の私は、おそらく現時点で日本で最もゴーストレストランに詳しい一人だと自負しています。その私は、上記4つに対して全面的に賛成という立場は取れません。解説します。

 

・オンライン専門店だから客席を用意しなくてよく

→理論的にはそうですが、物件検索サイトで客席なしのキッチンだけって貸し出しを見たことはありますか?私は見たことがありません。じゃあ自分でスケルトンからキッチンだけを作りますか?UberEatsのためだけに?その内装コスト、厨房機器のコストは?これは時間が解決してくれる問題ですが、現時点では客席を用意しない物件はほとんどないので、あまりこれがGoodNewsだとは思えません。

 

・駅前一等地じゃ無くて良いので空中階など家賃が抑えられて、

→これは半分同意です。たしかに、路面1Fじゃなく、路地裏のエレベーター5Fでも全く問題ありませんので、うまくやれば家賃を抑えることができます。ただ、そうは言っても都心部じゃなければ注文ははいりませんし、UberEatsが人気なのはオフィス街や人が住んでいるところですから、新宿、渋谷、恵比寿、目黒、六本木など比較的家賃の高いエリアになってしまいます。

 

・ホールスタッフやデリバリースタッフを採用することもなく、

→これは全面的にその通りです。人手不足なので採用しなくて良いのは助かりますね!

 

・シェフとキッチンだけで小コストで開業できる

→最大の問題はこの費用の問題なんですよね。

ざっくり、何が削れるのか比較してみました。なんだか色々削ることができるので、効率的で良さそうですよね。なんなら、自分でもできそうだとか、ゴーストレストランを開業してみようとか思ってきませんか?詳しくは、後述する“ゴーストレストランは儲かるのか”でも申し上げますが、小コストで誰でも参入できるのであれば、あっという間に競合が増えて1店舗当たりの売り上げは下がってしまいます。

リアルな店舗であれば、1つの町に5階建ての飲食店ビルが10件あって1フロアに2件ずつなら、100店舗が最大です。小コストで店舗が開業できるならまだ良いでしょうが、ゴーストレストランは100どころか1000でも10000でも増やすことができます。

「ネット通販って小コストだから今から参入しよう!」

という言葉と同じなので、開業したところで成り立つのかちょっと心配です。

以上の理由により私は、ゴーストレストランは3年で7割が潰れる飲食業界の救世主になるとは思っておりません。ゴーストではない、既存飲食店の売り上げはあげてくれそうなのでフードデリバリー事業は素晴らしいと思いますが、ゴーストレストランが素晴らしいビジネスだとは手放しで喜べないということですね。

 

4、ゴーストレストランの本場NYのトレンド

ゴーストレストランは日本ではなくNY発祥の言葉です。そんな本場NYではどんな感じでゴーストレストランが盛り上がったのか。いくつかの記事をまとめて要約すると、日本で記事になっているポイントとはちょっと角度が異なる実像も浮かび上がりました。

・フードデリバリー事業者が登場したことで、無店舗型のオンラインレストランが登場している

・1つの事業者が複数のコンセプトブランドを持ち、1つのキッチンで10店舗のゴーストレストランを運営する例もある。

・キッチンはゴーストレストラン専用に最適化され、客席はなく、例えばサラダゾーンでは複数のブランドに合わせて、サラダを作り変えているという。

・また、無店舗だからこそ外部環境の変化でトレンドに合わせたメニューを作ったり、逆に風評等でマイナスになったゴーストレストランを閉めて違うコンセプトの店として作り変えることが、従来の数十分の一のコストで可能になった。

・広大な土地を持つアメリカでは、個別のオーダーごとに配送するフードデリバリー事業者以外に、さらがらバスのように時刻表にしたがって定時配送に相乗りして様々なフードを運ぶ、フードデリバリー版のバスも登場している

・ゴーストレストランが流行するためには、フードデリバリー事業者だけではなく、シェアキッチンなどゴーストレストラン向けの物件を提供するビジネスの成長も不可欠である

 

以上、本場NYのゴーストレストラン事情でした。なるほど、これがゴーストレストランだとすると、無店舗型とか、デリバリー専門とかの説明では不十分ですね。無店舗な上に、キッチン1つでいろんなコンセプト別に仮想の店を作っちゃうわけですよ。やはり、性格がECに似てますね。ECだと事業者さんがいろんなサイト運営しますから。

しかも、狂牛病でビーフが売れないってなったらゴーストレストランを閉店させて、チキン専門とかに作り変えちゃうんですよ。店舗だと数百万かかるのに、ゴーストレストランの業態変更なんて、メニュー考えて写真撮り直して、UberEatsに登録し直す程度なので10万円ぐらいでできそうですよね。

そして、2019年日本でゴーストレストランがはやるための鍵は2つ、1つはUberEatsの発展および、競合の登場によるフードデリバリー事業全体の発展ですね。そう考えるとレシピ動画をやっているクラシルさんとか、創業当時渋谷を舞台にフードデリバリー事業やってたのでめちゃくちゃ筋がよかったんですね。ビジネスの業界では、市場選定と同じぐらい参入タイミングが大事とは良いますが、当時の渋谷でフードデリバリー戦争していた方達、今からだったら最高だったんですね。LINE、Yahoo!、favy、ぐるなび、あたりの参入を期待したいですね。

もう一つは、ゴーストキッチン用の店舗を提供するビジネスの成長も必要なんですね。たしかに。広すぎて借り手が付かない、立地が悪い空中界店舗なんて沢山あるので、大手外食チェーン店さんはリスクとって数千万かけて専用キッチン作っちゃえば良いんですが、大手外食チェーン店さんにゴーストレストランに詳しい方は皆無なので難しそうなので。やはり、フットワークの軽い個人でしょうか。

テレビや雑誌でゴーストレストランを知ってやってみると。そういう個人の方なら、よじげんスペースでゴーストレストラン用物件提供しますので相談くださいね。バーの昼間だけ借りたり、チェーン居酒屋の昼だけ安く借りたり、ぴったりな物件あります。初期費用は50万もあれば十分です。

 

以上、少し脱線して宣伝になりましたが本場NYのゴーストレストラン事情でした。日本でも2019年、NYと同様に専用キッチン作って1箇所で6コンセプト6ブランドなどのゴーストレストランが誕生するのでしょうか。

 

5、既存のフードデリバリーとの違い

ここまで読んでいただけたら、もう既存のフードデリバリーとゴーストレストランとの違いはわかっていただけたと思います。例えばデリバリーといえばピザということで、ドミノピザはゴーストレストランなのでしょうか?

https://www.dominos.jp

もういちど、ゴーストレストランの定義を確認します。

(×)シェフだけで営業可能で

→自社でバイクや配達スタッフを抱えている

(×)住所非公開

→公開されていてむしろテイクアウトも推し推し

(×)注文アプリなどテクノロジーを活用

→電話注文も受けているみたい

 

以上の理由により、ドミノピザはゴーストレストランではありません。宅配専門店とゴーストレストランの違いは、もう完璧ですね!

ちなみに、現時点でUberEatsのエリアカバーは都心の一部だけですし、そもそも深夜には配達スタッフいなくなっちゃうので注文できず。そう考えるとドミノピザさんって、全国広範囲にあってしかも先ほどスクリーンショットを撮った新宿五丁目店なんて27時まで営業ですよ?とっても素敵なピザグループです。

ドミノピザさんが、新規事業として

・ドミノピザの既存店舗内で、ピザと共通食材で

・新しい別のコンセプトブランド“ホットドックプレス”と“ボーノパニーニ”と“シアトルカフェExpress”の3つを、

・UberEats専門店として開業して自社配送やらなければ、

それは、ゴーストレストランになるということですね。

そう考えると、宅配ピザなどの業者さんは宅配に特化したキッチンをもっているので、ゴーストレストラン参入に最適です。2019年のゴーストレストラン流行をけん引するのは、既存宅配専門店のコンセプトブランドになるのかもしれませんね。

複数コンセプトブランドといえば、ドミノピザよりもピザーラのフォーシーズさんの方が得意そうな気がしますね。すでに同一キッチン複数ブランドを何年も前からやっているのではないでしょうか。

(※以前、パエリア注文したらピザーラの人が届けてくれて感心した。)

 

6、初期費用を抑えてゴーストレストラン開業

では、実際にゴーストレストランの開業について触れておきたいと思います。現時点、都内でゴーストレストランを開業したいと思った場合に、自分1人で立ち上げる場合に必要なものの一覧です。(お酒など特殊なものを売らない前提)

・店舗物件

・食品衛生責任者講習

・飲食店営業許可

・UberEatsへの登録(と費用)

4つだけですね。

店舗を開業するよりもシンプルで初期投資も少なそうなので、ゴーストレストランの開業は、その気になればいつでも誰でもできると思ってしまって問題ありません。

食品衛生責任者講習は1日で終わりますし、飲食店営業許可は行政書士さん。司法書士さんにいえば代行してくれますし、UberEatsは説明会に行ったり問い合わせたりすれば、難しいことはありません。つまり、調理をするキッチン=店舗物件をGETしてしまえば、開業できるということです。

ただ、逆にいうと飲食店営業許可が取れるキッチンが必要になるので、自宅のキッチンで作って、自宅をUberEatsに登録することはできません。正確にいうと、自宅がダメなのではなく、自宅では飲食店営業許可が取れないんです。設備要件を満たさないので。

無理やり、今の自宅に厨房設備をつけて、二層シンクを入れて、床を防水に張り替えて、壁など防火用にして、飲食店営業許可の要件を満たしたとしても、めちゃくちゃお金がかかります。

最近オフィスのキッチンを改造して飲食店営業許可を取ってゴーストレストランにしたいという案件を受けてやってみたんですが、工事の見積もりが150-300万でした。ちょっと現実的ではないのでDIYでどうにか要件を満たすキッチンが作れないかググったのですが、ちょっと難しそうで日数もかかりそうで。やはり自宅とは別で物件を借りた方が良さそうです。

飲食店営業許可を取得できる店舗物件を探しましょう。最初からキッチンが付いている居抜き物件が良いでしょうね。前述した通り、都心でUberEatsを注文する人が多いエリアであれば、路面1Fではなく、奥まった路地の7Fなど空中階でも問題ありません。ただ、家と異なり店舗物件は保証金が10ヶ月とか6ヶ月とか取られるので、不動産屋に払う費用だけでも少なくとも200-300万かかります。

初期費用を抑えるために、飲食店を間借りして始めるゴーストレストランも多く出現するでしょう。ただ、大家さん承諾の無い無断間借りは不法行為になるので、物件の大家さんの許可を取った上で、契約書を交わして、保健所に営業許可を2つとるのか確認して、転貸契約書を作ってお店と交わして、大家さんから承諾もらって、管理不動産屋に連絡をして…。

大変面倒な手続きが必要で、弁護士に頼むとお金がかかります。しかも、偶然ゴーストレストランに最適なエリアの店で、空き時間を間借りさせてくれるお店をどうやって見つけるのか。

以上の理由により、ゴーストレストランを開業するときの物件はよじげんスペースでご用意させていただいています。すでに大家さんのOKがもらえている店舗が並んでいて、面倒な手続きは全部やってくれます。便利な時代になりました。

 

7、ゴーストレストランは儲かるのか?

例えば、フードデリバリー事業者の手数料が25-35%取られると仮定すると、売り上げに対するお金の内訳はこの様になります。

原材料は同じだとします。実際には高価格で提供するので原価は少し下がりますが、その辺りは後述。

人件費は、シェフが自分だけで営業してしまえば、0にできます。

その代わり、フードデリバリー事業者に支払うアプリ手数料が掛かりますね。

広告費と人件費と配達コストを削っても、25-35%の手数料を払ってしまっては利益が出るはずがありません。そこで、レストラン側は1000円の商品を1350円に値上げしてなんとか払える様にしているいます。なぜか、ゴーストレストランの記事ではこの部分があまり触れられていませんが、ゴーストレストランは人件費と広告費が減った分だけ、アプリ手数料が増えるので、実はそんなに利益率が高いわけじゃないんです。そのかわり、値段を高くして利益を出す。これが、ゴーストレストランの構造です。

例えばチャーハンは大体1000円程度。

 

 

8、ゴーストレストランの開業方法

ゴーストレストランを開業したい、まずはやってみたいという方は、友人知人の飲食店の使っていない時間帯を借りましょう。よじげんスペースで見つけてもOKです。そして、食品衛生責任者講習を受けて、UberEatsに登録して、メニュー写真撮影をしてもらって、初期費用を払って、開業です。

開業して最初の1つめが売れたとき、とても幸せな気分になります。私がUberEats専門店でゴーストレストラン(当時はそんな呼び名は無かった)を営業していた時は、注文が入らないとシェフはやることないですし、客席のないデリバリー専門店だったので本当に注文が入らないと売り上げ0円。正直、宅配専門店なんて安定しないから二度とやらないと思ってしまいました。

しかし、例えば客席7席だとランチ販売できる数は3回転しても21食ですが、ゴーストレストランなら50食でも100食でも注文を受けることが可能です。サラダやタピオカミルクティなど、従来宅配に向いていなかったものも人気の様ですから、ぜひ競合が少なく、でも人気になりそうで、提供時間が短いものでチャレンジを!

 

9、間借りカレーなど間借りビジネスとの比較

例えばバーの使っていない昼間だけを間借りして、ランチだけカレー屋さんを開業したとしましょう。最近の流行で間借りカレーなんて呼ばれています。関西ではヤドカリカレーと呼ぶらしいです。

間借りビジネスとゴーストレストランは、どちらも初期投資を抑えて誰でも開業できるという点では近いものがあります。では、どちらが良いのでしょうか?間借りだと、客席数が限られているので売り上げの上限が決まってしまいますが、ゴーストレストランだと上限はありません。

しかし、店舗ならお客さんが居ない時に店頭で声かけるとかチラシを撒くとか、良い香りを漂わせるとか、看板を工夫するとか、それこそUberEatsを併用するとか色々できるんですが、ゴーストレストランの様にお客さんとの接点がアプリだけというのは待つだけしかできず、良い点も悪い点もありますね。

ゴーストレストランを開業したことがあり、飲食店を潰したこともあり、間借り営業もしたことがある立場としては、間借り店舗営業+フードデリバリーの併用、つまりゴーストレストランではなく、宅配も行う間借りレストランが最強なんじゃないかと思っています。

UberEats注文時にお店で使えるドリンク券を挟んで、店舗への来客を促せば無料の広告として使えますし、お店に来たお客さんと仲良くなれば何を食べたいかなど一緒にメニュー開発できますし、看板での視覚訴求、香りでの匂いマーケティング、音楽での聴覚マーケティング、試食などの味覚マーケティング、などなど、実店舗だと色々とやれることがあるんですよね。シェフ1人で、小さなお店で、スタッフ雇わずに、よじげんスペースで間借りして、店舗営業しつつUberEats、これが現時点での最適解だと考えています。

 

10、レストラン以外のゴーストビジネス

これだけゴーストレストランに期待させておいて、最終的に個人が独立してゴーストレストランをやっても儲からないという結論を出してしまったわけですが、機能特化して、アウトソースを利用して、最小コストで何かをやるというコンセプト自体は時代にあっていて、2019年はゴーストレストラン以外にも様々なゴーストXXXが登場することが予測されます。ここでは、どんなゴーストXXXが成り立つのか考えてみます。

・ゴーストシェフ

特定のレストランにおらず、どこにいるのかわからないシェフ。シェフを呼ぶ専門のサービスがもっと活況になればスペースマーケットで場所を借りてゴーストシェフに料理を作ってもらうイベントはめちゃくちゃ増えそうですよね。誕生会とか会社の飲み会とか。むしろ、スペースマーケットさんが自社で参入するか、上場してからM&Aしちゃえば良いのに。

 

・ゴーストスクール

スキルシェアという、個人の持っているスキルを人に共有するサービスも2019年は伸びると言われていて、出社前の朝活で英会話をやったり、仕事後にお茶を習ったりということが、CtoCつまり個人間で行われると言われています。じゃあ、その場所はどうなのかというと当然ながら個人なので持っておらず。スペースシェアなどで毎回違う場所を借りたり、カフェで代用したりとゴースト化するわけですね。

 

・ゴーストキャバクラ

冗談でキャバ嬢さんが自分だけで出張してお酒の相手をする時代がくるかと思ったら、そもそもCtoCの男女飲みマッチングはたくさんありました。紹介してリンク貼るほどではないので、ご興味がある方は調べてみては?

 

・ゴーストフラワー

アプリ1つで数十分でお祝いの花やなどを届けてくれるゴーストフラワーもありな気がします。店舗を持たずに花だけ仕入れて郊外の倉庫に置いておいて、花束とかフラワースタンドとか注文入ったら、花屋じゃなくフラワーデリバリー業者が届けると。飲んでて急にお祝いしたい需要ってあるはず。

 

・ゴーストお笑い芸人

お笑い芸人さんだけで開業可能で、アプリに登録すると、住所非公開で、今すぐお笑い芸人さんを呼びたい人が注文できて。お笑い芸人さんはアプリをONにして遊ぶなりネタの練習するなり依頼が来るまでは時間は自由にできるはずで。事務所を通さずに仕事を受けられないので、むしろ吉本さんがやれば良いのか。吉本本社からはキャバクラやホストクラブも多いので、呼ばれそう。

 

・ゴーストパティシエ

本場NYみたいに、1つのキッチンでコンセプトの違う10ブランド運営とかを考えると、ゴーストパティシエもありか。アプリからボタン1つでスイーツとコーヒーが届くわけで。和菓子から洋菓子から誕生日ケーキまで、1つのキッチンでやりつつ、チーズケーキ専門店とかショコラティエとかコンセプト別に作れば良いわけで。

 

 

まとめ

・ゴーストレストランは、リソースを絞ってシェフだけで開業可能、住所非公開、テックを活用したアウトソース、の3つを満たしたオンラインレストラン

 

・2019年流行りそうだけど、イコール儲かるかは懐疑的

 

・1つのキッチンで複数のコンセプトブランド展開ができて初めて、ゴーストレストランの旨味が生きてくる

 

・UberEats以外にもフードデリバリー事業が盛り上がるか、ゴーストレストラン向きの店舗を提供するビジネスも盛り上がる必要がある

 

長々とご覧いただきましてお疲れ様でした。

ゴーストレストランという言葉を聞いたけど何のことかわからないという方の理解に少しでもお役に立てましたら、幸いです。

 

araki@4jigen.space

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記事を書いた人: araki

こここ

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