年明けに新たなテーマを決めたりするのでしょうか、年明けからよじげんスペースにゴーストレストランに関する問い合わせが殺到しております。
物件を貸りたい方はもちろんのこと、貸したい方、飲食店以外のグループ会社さん、飲食店の内装プロデュース屋さん、業界紙の取材、業界ネット媒体の取材などなど。
みなさんの問い合わせテーマは、UberEatsとゴーストレストランに関するものばかりです。今年はフードデリバリーとゴーストレストランが盛り上がりそうということで、みなさまよりも少しだけ先にこの領域へ参入した身として、実際にどうなのか?書ける範囲でシェアいたします。
なお、本文、図表中に出てくる数字に関しては各社が公開している手数料とは一切関係がありません。実際に営業を行い売り上げと各種経費を計算し、その比率を円グラフとして表示したものとなりますので、「UberEatsは40%も手数料を取っているのか!」という意味ではありません。
ゴーストレストランとは?
店舗を構えないネット通販専門会社の様に、店舗を構えないオンラインデリバリー専門の飲食店をゴーストレストランと呼びます。実態店舗がないことをゴーストと表現したらしく、Ghost restaurantですね。
ゴーストレストランの店舗条件
弊社がこのゴーストレストランを開始したのは、2019年4月のことです。
飲食店の間借り情報サービスよじげんスペースを運営していく中で、利用者が朝昼夕方で十分な売り上げを上げるためには、人通りの多い路面1Fに10坪ほどの小さなお店を構えて、店の前でチラシを配るというやり方がもっとも適していました。
しかし、貸す側は当然ながら「路面1Fの10坪」以外のお店もあるわけで。何か、新しい活用法がないかと模索しての、実験的な出店でした。
ゴーストレストランはUberEatsなどのフードデリバリーサービスを利用したデリバリー専門店なので、客席を設ける必要がありません。そのため、裏路地の3F、ビルの10Fといった、ランチ営業を行う上で視認性の悪い場所にあっても、営業上不利になりません。ゴーストレストランが2020年注目されている理由の一つは、こうした有休店舗の空き時間で、家賃の安い二等地、三等地の有効活用という側面もあるのかもしれませんね。
ゴーストレストランは儲かるのか
普通の飲食店と同様に、美味しいものを出したいと苦労して、気持ちを込めて、笑顔で、清潔にして、店内のBGMにもこだわり、美味しそうな香りを出しても、UberEatsアプリでオーダーするお客さんにはそのほとんどが伝わりません。
つまり、運営ノウハウが飲食店とは異なるんですね。スーパーとネットスーパーぐらい違います。近いけれど別業種。
さて、飲食店を出店したいと言う方の出店理由は主に2つです。
美味しいものを提供したい、利益を上げたい。
わかりやすいですね。前者はシェフ、後者は経営者です。
美味しいものを提供し「続ける」ためには適切な利益は必要になります。
どれぐらいが適切かは場所や家族構成など時閉店に生活コストによって左右されますが、1人で営業するのであれば最低でも30万を利益または自分の人件費として確保しないと、自分の生活費、お店の初期費用の回収、税金、などを支払うことができなくなり、閉店へ向かってしまうでしょう。
こちらの円グラフは、実際に営業しているゴーストレストランの「売り上げに対する経費」を簡略化してグラフ化したものです。
家賃のように売上が0円でも100万円でも同じ金額がかかる経費のことを固定費、材料費のように売上に連動して増えていく経費のことを変動費と呼ぶらしいのですが、このグラフは1ヶ月の売上が200万円の時の固定費、変動費で作っています。
UberEatsの売り上げ計算は複雑で、みなさんが2000円支払った場合にお店にいくら支払われるかは、正直私もわかっていません。サービス料、配達料、TAX、UberEats手数料、UberEats導入費用の分割払い、などなど本当に色々複雑な計算があるからです。今回は実際に着金している金額で比率を計算したものになりますので、UberEatsの手数料が40%という意味ではありません。UberEatsの手数料はGoogle検索の結果を貼っておきますので。
商材費は、フランチャイズ加盟料の様なイメージのものです。自分で作った料理を提供する場合にはかかりません。例えばカレーを出したい!と言う時に自分でカレーを作るのか、街中の人気店のカレーを売るのか、という選択で後者を選んだ場合の手数料の様なものです。自分は料理が得意ではないが、ゴーストレストランを出店したいという経営者の方などにはおすすめです。
仮にゴーストレストランとして、9:00-15:00の7時間営業を行い、前後1時間ずつ仕込みと片付けで時間を使ったとしましょう。実際には雑務を入れて1日10時間労働、週1休みで26日営業だとすると、1日に7.7万円の売上があると、月200万売って、自分の人件費として30万を確保することができます。みなさんの想像と比べていかがですか?思ったよりも儲かっていない感じでしょうか?
1日の営業で5食から10食売れるのは3割
ゴーストレストランは、小売業で言うところのネット通販に近い部分がありますので、飲食店の経験よりもインターネットの経験が豊富であれば運営していくことは容易です。
はたして、1日で7.7万円を売り上げるということは、現実的に誰にでもできることなのでしょうか?
ここからは地域によって差がある話になりますので、あくまで都内の中心部でUberEats専門店を行う場合だと思って、お聞きください。
UberEatsではきちんと営業すると1日5食から10食オーダーが入るイメージです。この「きちんと営業する」難易度は、経験からすると確率30%ぐらいでしょうか。UberEats専門店を素人の方が出店すると、10件中7年はここでつまずくはずです。1日に平均3件しか売れないなど。「きちんと営業する」のはただのノウハウなので、一度覚えてしまえばこの30%の壁は簡単にのり超えられます。
イメージでいうとGoogleの検索結果で上位に表示させるのと同様で、UberEats内で上位表示をしなければいけないわけで、どうすればいいのかそのポイントにだけ注意する必要があります。これはテクニックというよりも、UberEatsが教えてくれることを素直にやる方は意識せずにできると思います。詳細は、省略。
1日5-10食で月200万を売るには?
UberEatsにはオーダー単価という概念があります。1注文あたりの平均売上価格のことで、1食の単価ではなく、1注文の単価になります。仮に2000円としましょうか。5-10食だと計算しづらいので仮に7.5食とすると、1日の売上は2000円×7.5==1.5万円です。
月200万売りためには、1日7.7万の売上が必要ですから、全然足りませんね。つまり、ゴーストレストランを1店舗出しても、大多数は超赤字ということです。じゃあどうすればいいのか。方法は2つあります。1つは…
ゴーストレストランの開業サポート
ちょっと長くなってしまったので、ここで一旦切らせていただきます。
ゴーストレストランの開業サポートとして、月額3,000円のnote定期購読マガジンにて、実際に運営している4店舗の売り上げ推移や、この記事でお話しした様な実際の運営体験情報をお届けしますので、
・これからゴーストレストランを運営したい
・UberEats専門店を開業したが全然注文入らない
・朝、昼、夕方に1オペでやらせてみようかな
など、ゴーストレストランに興味があるかたは、どうぞ購読ください。