みなさんこんにちわん、よじげんスペースの荒木です。
今日のランチは、間借り出店のもうやんカレーHiesコラボランチでした。
間借りカレーという単語が認知されているほど、間借りにはカレーが相性がいいのですよね。そして、わたくしの大好きなもうやんカレーが混まずに食べられるという事で行って参りました。
少し酸味のあるポークカレールーと、しっかりと肉の旨味が感じられる食べやすいキーマカレーに卵黄、それにもうやんファンおなじみのネギ塩が乗ったタンドリーチキン、サラダ、というプレートです。これで1000円。食後にテイクアウト用の容器でコーヒーかルイボスティを用意してくれますので、得した気分です。
借りた側が食中毒を出した場合に貸し手側は責任をとるのか?
もうやんに限らず都内には美味しいカレー屋さんが存在しており、近年間借りカレーも盛り上げって居るのですが、カレーの話はこの辺りで切り上げまして本題を。
twitterでMasaharuさんから食中毒に関してのご質問をいただきました。よじげんスペースを知った皆さんがどんな事に不安を感じて居るのか把握できますのでこの様な投稿は大変ありがたいです。Masaharuさんマジ神。
借り手側の責任による食中毒事案が生じた場合営業許可を取っている貸し手側に最終的な責任が生じるのでしょうか??
— Masaharu (@masa568) 2018年9月24日
1人が不安に思っているということは、多くの人に共有したいと思いましたので、こうして記事として解説させていただけましたら幸いです。調査の上記事にしておりますが、区や担当者が代わるだけで見解が異なりますので、最終的には管轄保健所の判断になるということはご承知ください。
食中毒は保健所の管轄
飲食業を営んだ事がない方のために、食中毒が発生した場合にどのような流れになるのかをまずは確認しようと思います。
1、お店で何か食事をして
2、食事をした人が腹痛等の症状を訴えて病院へ
3、食中毒の疑いがあると診察した病院側は、保健所へ届け出をする義務が発生
4、保健所が調査に動く、食中毒で苦しんで居る人の検便や、何を食べたかなどを聞いて、どこで食中毒が発生したのかを特定
5、店舗に立ち入り調査が入って、菌を検出、発生源の特定。
6、営業停止処分
一般的な食中毒から営業停止までの流れはこの様になっている様です。
今回の質問の論点は、よじげんスペースを利用して物件を“借りる方”が食中毒を出した場合に、“物件を貸した側”にどんな影響が出るかという事かと思いますので、順に検証していきましょう。
イメージが想像しやすいように、物件の貸し手を夜営業のバー、物件の借り手をランチ営業のカレーだと仮定して解説します。
物件を借りた側=カレー屋はどうなるのか?
物件を借りた方のカレー屋が食中毒を出した。カレー屋は当然営業停止になるでしょう。これは問題ないかと思います。
物件を貸した側=夜のバーはどうなるのか?
物件を借りた方のカレー屋が食中毒を出した。夜のバーは営業停止になると思いますか?
正解は…
どちらとも言えない、です。
難しい答えで申し訳ありません。
この答えを申し上げる上で2つ関わってくる要素があります。
(1)契約形態(承諾転貸か業務委託か)
(2)営業許可の取得数(1つか、別々に2つか)
(1)契約形態(承諾転貸か業務委託か)
よじげんスペースでは、店舗を貸し借りする契約形態として“承諾転貸”と“業務委託”という2つの方法を用意しています。誤解を承知でとても簡単な説明をするならば、“承諾転貸”は物件の大家さんに許可を取って別の人に貸す形で、“業務委託”は昼間もバーオーナーさんが直接カレー屋を経営し、カレーのノウハウや人材など一部の業務を委託する形です。
話を戻すと、カレー屋が食中毒を出した場合で承諾転貸で契約している場合には、昼と夜で営業許可も保険も別々に入っているわけですから、損害賠償等の責任は貸し手側のバーには及びません。
業務委託で契約して居る場合には、カレー屋の経営者もバーオーナーですから、損害賠償等の責任は貸し手側のバーの責任になります。
(2)営業許可の取得数(1つか、別々に2つか)
次に、営業許可の枚数について。東京都内では保健所は区の管轄になっていますので、新宿区と港区では見解が異なる事もよくあります。不思議ですねぇ。
新宿区に「会員制バーの昼間にかき氷やを出す場合、経営者が別の場合には営業許可を2つ取ったほうが良いのか?」聞いてみたところ、
「経営者が別なら2つ取ったほうがいい。1つの営業許可でやって居るところもあるが、片方が食中毒を出した場合に1つの営業許可だとどちらも営業停止になるが、営業許可を別々にわけていれば営業の停止は営業許可に対して行われる」
という回答をいただきました。区によっても、同じ区でも担当者が代わると違う回答が来ますのであくまでこの聞いた時の見解だとして参考程度に誤認識ください。
この言葉を鵜呑みにするのであれば、借り手のカレー屋が食中毒を出した場合、営業許可を1枚でやっていた場合には貸し手のバーも営業停止になり、営業許可を別々で取得していた場合には。貸し手側のバーは営業停止にならないという事になります。
なお、同じ事を渋谷区と港区の区役所に聞いてみたところ、営業許可は1枚で営業しても2枚で営業しても、片方で食中毒が出れば2店舗とも営業停止になるので、別々で取る意味はあまりない。という見解でした。
理由としては、キッチンから菌が出た場合に営業停止になるので、同じキッチンを使っている以上2店舗とも営業停止は仕方がないだろうと。
よじげんスペース利用時の食中毒まとめ
以上、借り手側で食中毒が発生したら貸し手側にも責任が発生するのか、まとめましょう。次の6パターンです。
1、承諾転貸 + 営業許可1枚
→損害賠償や保険は借り手のカレー屋、営業停止は両方
2、承諾転貸 + 営業許可2枚
→損害賠償や保険は借り手のカレー屋、営業停止は両方
3、承諾転貸 + 営業許可2枚(保健所が別と判断)
→損害賠償や保険は借り手のカレー屋、営業停止もカレー屋だけ
4、業務委託 + 営業許可1枚
→損害賠償も保険も営業停止も全部夜のバーに責任あり
5、業務委託 + 営業許可2枚
→損害賠償も保険も営業停止も全部夜のバーに責任あり
6、業務委託 + 営業許可2枚(保健所が別と判断)
→損害賠償も保険も全部夜のバーに責任あるけれど、バーの営業停止は無し
まとめ2
全然まとめがまとまっていなかったのでシンプルに。
以上です。
承諾転貸の場合には、貸りているカレー屋の掃除を信用せずに、自店舗で営業前に消毒を行うなど徹底することが重要で、業務委託の場合にはそもそもカレー屋も自分が経営する店なのですから厳しく衛生指導をする必要があるということです。
何度も申し上げますが、東京都では店舗住所を管轄する区単位で見解が変わり、しかも同じ区の保健所でも担当が変わっただけで見解が変わります。今回の記事を事実だと鵜呑みにする事なく、管轄の保健所にご確認頂けましたら幸いです。
いやでも本当に食中毒は怖いですね。
飲食店最大の敵でありお客様に対して取り返しのつかない状況を巻き起こしてしまいます。
よじげんスペースでは、食中毒リスクを低下させるために4つの対策を行なっています。
1、食中毒リスクの高いナマモノやバイキング等の業態は取り扱わない
2、まな板の共有を禁止し、借り手貸して双方の消毒を徹底
3、店外調理の検討
4、ケータイショップ、コワーキングスペース等、非飲食店での活用
カレーも再加熱不足によるウェルシュ菌とかありますので、ナマモノじゃなきゃOKとか、持ち込めばOKというわけでもないんですよね。食中毒は人の健康に関連する大変重要な問題ですので、よじげんスペースも引き続き本問題の発生リスク低下に向けて検討してまいります。
本件に関して追加で聞きたいことやご相談などはLINE相談までご連絡ください。